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国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

環境問題に関する法案が審議されました

19日(金)に開催された衆議院の環境委員会で、以下の3法案が審議の末、採決されました。

www.env.go.jp

www.meti.go.jp

www.env.go.jp

 

一つ目の「廃棄物の・・・」は、相変わらず多発する産業廃棄物の不正処理に対応するために、廃棄物処理業者の不正を防ぐための取り締まりを強化する改正案です。

 

二つ目の「特定有害廃棄物等の・・・」は、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」を遵守するための法律です。

平成4年に成立してから25年経過して、国際情勢の様々な変化に対応するために、取り締まりを強化すべきは強化する一方、書類手続きなどが煩雑すぎる点については、緩和すべきところは緩和するというのが、今回の改正案の趣旨です。

 

三つ目の「福島地方環境事務所の・・・」は、環境省の地方環境事務所を福島県にも設置しようという事案について、国会の承認を得ようというものです。

 

現在、福島県には「福島環境再生事務所」という組織があります。

この「福島環境再生事務所」の主要な業務は、福島第一原発事故で汚染された地区を除染することです。

この「再生事務所」というのは、環境省の組織上は「支所」という扱いなのですが、これを「支局」という扱いに格上げすることで、福島の復興を強力に進めていこうというのが、今回の承認申請の趣旨です。

 

審議の結果、「廃棄物の・・・」と「特定有害廃棄物等の・・・」については、全会一致で採決されましたが、「福島地方環境事務所の・・・」については、日本共産党のみが提案内容の一部に異議があるということで反対したため、全会一致の採決とはなりませんでした。

 

日本共産党が問題視したのは、福島地方環境事務所への出向職員の任期が、3年間と区切られている職員が多いという点で、いつ終わるか分からない事業なのに期限を区切るのは、いかがなものか?というわけです。

 

期限を区切る、という点については、任期が長くなることで除染業者との癒着が起きる恐れがあるというのが理由の一つであります。

実際この3月に、汚職事件が摘発されています。

www.sankei.com

 

まあ、こうした事件が起こると一理あるとは思うのですが、期限を区切っても不正を働く人間は、やはりやるのではという気もするので、権限の大きい職員以外は、無理に任期を設けなくてもいいのでは、という気もします。

 

なんにせよ、この後、衆議院本会議を経て、参議院でも審議されて成立するでしょうが、実際に業務に従事する職員には、自分の職分をわきまえてしっかり仕事をしていただきたいものです。

 

 

 

 

20年近く放置されていた不思議

5月17日(水)に開催された衆議院国土交通委員会で、こちらの法案が採決されました。

www.mlit.go.jp

この法案、主眼は外国からのクルーズ船の増加に対応するべく、官民が連携してクルーズ船を受け入れられる港を整備していこうというものなのですが、私が気になったのは、もう一つの改正内容の「非常災害時における国土交通大臣による円滑な港湾施設の管理制度の創設」です。

 

法案を提出した国土交通省の説明によると、この非常災害時の新しい制度を設けるきっかけになったのは、

熊本地震の発生後、通常の貨物船に加え、自衛隊海上保安庁等の支援船舶が集中したことにより、港 湾が過度に混雑し、港湾利用者との円滑な調整等 に支障」が出たのがきっかけだそうです。

で、「 切迫性が指摘される南海トラフ地震等の大規模災害 に備え、非常災害時における港湾利用者との調整 等を円滑に実施するための仕組みが必要」ということで、今回の法改正に盛り込まれたとのこと。

 

この国土交通省の説明を読んだ時の私の率直な感想が、

「今頃、何を言ってやがる!」

です。

 

ここ20年近くの間だけでも、阪神・淡路大震災に始まり、東日本大震災まで、大規模災害がどれだけ起こっていたか、子供でも知っている話です。

当然、同じような問題は、災害発生の都度、起こっていたわけで、もし本当に国土交通省熊本地震で初めて気づかされたというなら、その危機意識を疑わずにはいられません。

 

案の定というか、委員会でも質疑に立った議員から、今までこの制度が無かったことへの疑問がぶつけられています。

これに対する国土交通省の答弁は、大まかに言うと

「港湾の運営は、地方自治体などの地域の自主性に任せるというのが港湾法の基本方針だったから」

という、言い訳にもなっていないような内容でした。

 

まあ無いよりはあった方がいい制度には違いないので、これが来たるべき災害の発生時に役にたつことを期待したいですが、当たり前だと思っていたことが出来ていないということが往々にして存在するという事実に、うすら寒いものを感じた一件でした。

 

中小企業のための重要な法案です

共謀罪やら、加計学園やらで国会は大荒れの様子ですが、その陰で非常に大切な法案の審議が、衆議院経済産業委員会で行われています。

それが、こちら

www.meti.go.jp

日本の屋台骨を支えているのは、一握りの大企業ではなく、日本の全企業の90%以上を占めると言われている中小企業です。

そんな中小企業は、資本が大きくないだけに何か投資をしたくても簡単にはいきません。

銀行は絶対に損をしないように、徹底的に担保を要求してきますので、「中小企業の発展」には何の役にも立ちません。

また大規模災害が相次ぐ昨今、中小企業がひとたび甚大な被害を被れば、復旧するのは至難の業です。

 

そこで非常時のセーフティーネットの確保や、事実上の公的金融機関である信用保証協会による中小企業への資金援助など、中小企業の経営安定のために必要な法改正をするのが、現在審議中の法案です。

 

この法案で、中小企業の経営がどこまで安定できるかは、最終的には個々の企業の努力に帰するわけですが、能力のある中小企業が制度の問題で、みすみす消えていくということが無いように、ある程度の公的支援はやはり必要です。

 

センセーショナルな法案ではありませんが、こういう法律が世の中を支える本当の力になってくれるのです。

脱税は国境を越えても逃さない!というわけで・・・

前回は、衆議院の外交委員会で審議された、社会保障に関する国際協定について紹介しましたが、参議院でも似たような協定が審議されています。

それは、

・所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスロベニア共和国との間の条約

・所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とベルギー王国との間の条約

・所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とラトビア共和国との間の条約

・所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とオーストリア共和国との間の条約

・脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバハマ国政府との間の協定を改正する議定書

 

どれも課税に関するルールを対象国との間で取り決めておこうという条約ですが、その真の狙いは条約の表題中にもある通り「脱税対策」です。

バハマとの協定を改正する議定書なんて、明確に「脱税の防止」と銘打っています。

 

昨今話題の「タックスヘイブン」の問題に代表されるように、それぞれの国の課税制度の違いを利用して税金逃れをしようという動きは、もはや世界中の国にとって死活問題と言えるほど重大なテーマになっています。

本来はある程度、国際的な機関がこうした問題に対処できる仕組みを取りまとめた方がいいのでしょうが、前回の社会保障と同じく、国の数だけ制度の種類も多岐に渡り、一律にルールを決めるのは、なかなか難しいのが現実です。

 

こうした条例を地道に結んでいくことで、時間はかかりますが、しっかりと対応するしかないんですね。

※ちなみに「タックスヘイブン」で話題になったケイマン諸島とは、すでに条約を結んでいるそうです。

脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本政府とケイマン諸島政府との間の協定

 

地味ですが大切な協定のお話

久々の更新となりますが、ちょっと面白い審議を見つけたので、今回はそのお話を。

 

5月12日(金)に開催された衆議院の外務委員会で、次のような協定についての審議が行われていました。

・社会保障に関する日本国とスロバキア共和国との間の協定

・社会保障に関する日本国とチェコ共和国との間の協定を改正する議定書

 なんのこっちゃという感じのする協定ですが、実はこれ、海外に住む日本人にとっては非常に重要な協定なんです。

 

この協定で対象となるのは、主に日本の各種年金の支給に関するルールです。

仕事などで海外に住んでいる日本人は、その滞在期間中の各種年金の加入状況によって、後日年金が受け取れないなどのトラブルに見舞われる可能性があります。

そこで相手国での滞在期間(具体的には5年を目安)に応じて年金の加入状況を判断し、場合によっては相手国側の社会保障制度による年金などの受給が可能になるように、社会保障制度を主管する厚生労働省が各国との間で協議をした上で、条件の整った国との間で協定を結んでいるわけです。

 

現時点で協定を締結しているのは

となっています。

今回は、新たにスロバキアが対象となる他、チェコについて一部改正が発生したため、その更新を求めて国会に提出されているわけです。

 

世界にある国の数を思えば、まだまだ少ないのが実情ですが、国際化で多くの日本人が聞いたこともないような国に住むことも珍しくなくなった昨今、こうした協定が少しでも多く締結されていくことが大事ですね。

情報監視審査会の平成28年年次報告書が発表されました

少し古い話ですが、3月39日(水)に、衆議院の情報監視審査会が、平成28年年次報告書を発表しました。

平成28年年次報告書

これは、以前このブログで紹介しました、「特定秘密の保護に関する法律」で指定された秘密について、公開すべきかどうか審議する審査会の活動を報告するものです。

先のブログでもふれたとおり、この審査会では、おおまかな審議内容すら非公開となっているため、一体どんなことが、どんな理由で非公開になったのか、審査会に参加した国会議員以外はまるで分らないという問題がありました。

そこで昨年度から年度末に、一年間の活動内容を報告する書類を公開することで、批判に応えようとしたわけです。

 

今回も、個々の「特定秘密」については一切触れていませんが、平成27年12月31日現在「特定秘密」に指定されている文書や情報、全443件の内、

・具体的な「秘密」が書かれた文書が存在しない「特定秘密」

・作成から30年以上経過している「特定秘密」の文書

について、その必要性を審議した結果、9件について「特定秘密」指定を解除されたそうです。

また引き続き「特定秘密」となった文書についても、文書や情報の保管の在り方、特に「文書の不存在」について審査基準を厳格化していくことなどが報告されています。

 

この法律が出来た時は、もっと多くの文書が「特定秘密」になるのではと心配されましたが、意外にも400件くらいしか指定されていないのは、ちょっと驚きでした。

もっとも、安全保障以外で国民の知らないことが多いというのは、やはり民主主義国家としては健全とは言えないと思いますので、審査会には今後もしっかりと役割を果たしてほしいものです。

何をしてるの?

森友学園問題が下火になってきたと思ったら、今度は北朝鮮問題と思い切りスケールの大きな問題が持ち上がったりと、第193回国会の開会から忙しなく動いている感のある国会ですが・・・

 

実は、全く活動をしていない常任委員会が二つあるんです。

それが、

衆議院国家基本政策委員会参議院行政監視委員会の二つです。

この両委員会、国会が開会して以来、まったく活動をしていません。

他の委員会が、特に目立った活動をしていないまでも、理事の選任など何かしら集まっているのに対して、本当~に何もしていないのです。

 

よく見ると、この二つの委員会は、それ以前の会期でも、2、3回開催された以外は、ほとんど活動実績がありません。

 

その理由を色々考えてみたのですが、過去の議事録等見ていると、どうも予算委員会など他に委員会とやってることが重複気味なのが原因かもしれません。

例えば国家基本政策委員会は、その名の通り国の方針を協議するための委員会で、テレビでよく見かける「党首討論」をやる委員会です。

でも党首討論って、結局のところ、イギリスの国会をまねただけのパフォーマンスにとどまっている傾向があり、実質的な国政についての審議は、ほとんど予算委員会でやってしまっているんですね。

そんなわけで、めったに開催されない委員会になってしまっているのですが、これこそ「無駄」というべき代物かもしれません。

 

参議院行政監視委員会も同じようなもので、「行政全般の評価・監視を行う」のが目的なのですが、これって結局、他の各委員会で間に合っていることなんですね。

 

じゃあ、なんでそんな必要性の低い委員会が常任委員会として存在するのか?

 

個人的な邪推ですが、既存の委員会だけではすべての国会議員を割り振ることが出来ないので、全国会議員が何らかの委員会に所属している形をとるために、わざわざ増やしたんじゃないかと・・・

 

もしそうなら、「行政の無駄」をチェックするどころか、立法府がとんだ無駄を作っていることになるわけですが・・・