国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

トランプ大統領訪日のため国会はお休みです

なんとなくプチ狂騒曲を巻き起こしたトランプ大統領の訪日も無事に全日程を終えて、本日午前に次の訪問国である韓国に向けて出発しました。

www.jiji.com

 

この間、国会もお休みとなっていましたので、衆議院参議院ともに動きがありませんでした。

 

しかし、会議場で議論を交わすだけが国会議員の仕事ではありません。

先の記事で取り上げた「国会での質問時間を議員数の比率に応じて割り当てる」という与党側の姿勢に対抗してか、野党側から早速数多くの質問主意書が提出されました。

その数20!

この内、16が立憲民主党逢坂誠二議員から提出されたもので、内容も国政や外交の政策方針に関するものから閣僚の発言の趣旨に対する質問まで多岐に渡っています。

残り4つは初鹿明博議員が提出したものですが、その内の一つが先日ニュースになったこちら。

www.sankei.com

これを受けて初鹿議員は頭髪の色を黒髪とする校則に関する質問主意書」

という質問主意書を提出しています。

しかし、この初鹿議員、本人は否定していますが、つい最近セクハラ騒動で話題になって所属先の立憲民主党から処分を受けたばかり。

mainichi.jp

何の皮肉か、はたまたギャグなのか?と言いたくなるところですな。

他にも初鹿議員、関東大震災における朝鮮人虐殺に関する質問主意書」という質問主意書も提出しています。

内容がまだ公開されていないので何とも評価しようがないのですが、タイトルだけ見ていると「なんで今頃そんな話?」という疑問が湧きます。

 

まあ、こういう目立たないところで国会議員たちは活動の場を広げていたりするので、誰がどういう仕事をしているのか、ニュースだけでなくこういうところもチェックしていただければと思います。

 

第195回国会の質問答弁リスト

 

 

 

第195回国会(特別会)が開会しました

6月に第193回国会が波乱の内に閉会した後、早ければ8月には第194回国会(臨時会)が開かれるといわれていましたが、結局内閣改造以外に動きは無く、9月28日にようやく開会したと思ったら、いきなり衆議院解散→総選挙となったのは、ご存知の通り。

 

その間、野党のグダグダな再編もあって、選挙前から自民党の不戦勝のような状況で、ほとんど選択肢のないような選挙になってしまい、マスコミ以外はさっぱり盛り上がりに欠けた感がありますね。

 

とはいえ、衆議院総選挙の後は、憲法第54条に従い、30日以内に国会を召集して必要な事案を審議しなければなりません。

 

というわけで、11月1日(水)に195回国会が開会して、早速内閣総理大臣の指名投票が行われました。

結果は、ご存知の通り安倍晋三総理大臣の再任となったわけですが、総選挙のときのあまりの茶番にあきれかえって、個人的にはノーチェックの状態でした。

 

そんな中、メディアで話題になっているのが「野党の国会での質問時間短縮」の問題。

www.yomiuri.co.jp

野党の質問時間が与党寄り多めに取られているというのは、具体的にどこかの法律で明文化されているわけではなく、慣例のようなものだそうです。

その理由としては、与党は事実上、時の政権とつながっており、また法案の提出に際しては、官僚から詳しいレクチャーを受けた上で、修正・追加した法案を国会に提出しているから、この上わざわざ国会で与党のための質問時間を多くする必要はないだろう、というものです。

まあ現状に即した慣習というべきで、実際にアメリカのような行政と立法が明確に立場を分けている国以外では、こうした慣習を取り入れている国が多いようです。

withnews.jp

 

自民党側の言い分である「得票数に応じて質問時間を取るべき」というのは、多数決原理に則れば筋が通っているとも言えますが、先ほども指摘したような与党の現実を踏まえると「野党に突っ込まる要因を少しでも減らそう」というのが本音と勘繰られても仕方が無いかもしれません。

もっとも、これまでの野党の質問も、あまりにグダグダすぎるのが多いので、自民党の主張が国民の間に一定の理解を得られてしまう現実が、なんとも情けないやら恐ろしいやら・・・

 

そんな陰で、国会ではニュースにならないようなことも粛々と進められています。

まずは、2日(木)の本会議。議題は以下のことでした。

・「常任委員の選任」

・「常任委員長の選挙」

・「憲法審査会委員の選任」

・「情報監視審査会委員の選任」

・「政治倫理審査会委員の選任」

まあ、確かにニュースにはなりそうにないですね。

 

一方で以下の特別委員会も開催されています。

・沖縄及び北方問題に関する特別委員会

・地方創生に関する特別委員会

北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

災害対策特別委員会

・政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

消費者問題に関する特別委員会

東日本大震災復興特別委員会

どの委員会も、内容は委員長や理事の互選がほとんどです。まあ初日はどこの委員会もやることは一緒ですね。

とは言え、これらの特別委員会、先の第193回国会では、ほとんど何もしていなかったので、どんな事情があったにせよ、しっかり仕事はしてほしいものです。

 

なんやかんやで今年も残すところあとわずか。

特別会は事実上、衆議院総選挙後の内閣総理大臣指名が目的の国会ですので、年末ギリギリまで行われることはまずないでしょう。

本格的な法案などの審議は来年1月から開会されるであろう第196回国会を待つことになりそうです。 

 

 

国会議員の給料について

先月、第193回国会が閉会した後、現在は内閣委員会と文部科学委員会が、衆議院参議院それぞれで閉会中審査という形で開催されています。

 

そこで素朴な疑問。

「閉会中審査に出ている国会議員の給料はどうなっているのか?」

 

国会議員の給料は「歳費」と言います。

歳費については、まず憲法第49条で「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける」と、支給される根拠が定められています。

そして、この「法律の定めるところにより」を補強する意味で、

国会法

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」の第13条に基づき両議院の議長が協議して定める「国会議員の歳費、旅費及び手当等支給規程」

が定められています。

 

現在国会議員の歳費の額は国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」の第1条で

各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。」

と定められています。

この金額については、その時その時の時勢や一般公務員の給与などと比較して調整が行われます。

もっとも自分たちの給料の額を自分たちで決めるという仕組みですから、お手盛りになる恐れは常にあります。

 

さて今回気になった「閉会中審査での国会議員の歳費はどうなるのか?」ですが、結論から言うと・・・

 

閉会中だろうがなんだろうが、毎月歳費は支払われます。

そう!実際に国会に出ていなくても、国会議員である間は、毎月歳費が支払われる仕組みなんです。

ですから、秘書に暴言吐いたのがバレて、病院に「入院中」であっても、浦和レッズにケンカを売って炎上する以外、仕事をしているのかどうか分からない状況であっても、毎月歳費が支給されます。

 

これは建前として「国会議員は、国会の外においても国政に関する様々な調査や研究などの活動をしなければならないから」という理由からです。

 

なんか納得いかん!と言いたくなるような状況ですが、そもそも国会議員がしっかり国政に取り組んでいれば、こんな話は出てこないわけです。

 

やはり選挙で投票するのは、安直ではいけないということですね。

 

6月19日に第193回国会が閉会してから、次回の第194回国会が開会するまでの間、制度上は国会はお休みの状態が続きます。

 

とはいえ、テレビでは連日のように「加計学園問題」を巡って国会で審議が行われています。

これは「閉会中審査」と呼ばれるもので、各議院の常任委員会と特別委員会は、その議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことができます。

元々は、自民党が乗り気でなかったので行われる予定ではありませんでしたが、文部科学省の前川前次官の証言などで、さすがに世論が抑えきれなくなったため、急遽実現することになったわけです。

今回の閉会中審査は、内閣委員会と文部科学委員会という、もっともこの問題とか分かりの深い委員会の連合審査会という形になっています。

 

その内容は、日々のニュースで紹介されていますので、今回はそれ以外の閉会中審査の様子をご紹介します。

 

審査されている内容は、大まかに分けて

・平成二十六年度、二十七年度の一般会計・特別会計予算やNHK予算などの決算報告の審査

・第193回国会で採決されず、継続審議となった各種法案

となります。

また審査とは別ですが、第193回国会の会期中に回答できなかった質問主意書への回答も同時に進められています。

 

この内、継続審議となっている各種法案を見ると、ほとんどが衆議院または参議院の議員が提出した法案です。

国会の会期中は、どうしても内閣提出の法案の審議が優先されるためか、議員提出の法案は、だいたい継続審議の憂き目を見ることが多いようです。

 

しかし、本来国会とは議員たちが必要な法律を考えて審議する場です。

その主役であるはずの議員が考えた法案が、こうした日陰の扱いを受けるのは、残念なことと思うのは、私だけでしょうか?

 

 

第193回国会が閉会しました

私用でドタバタしていたため、すっかり6月の更新が疎かになってしまいました。

 

そうしている内に、第193回国会は6月18日(日)をもって閉会しました。

 

今国会では、「森友学園」問題や「加計学園」問題など、いろいろと安倍政権の疑惑が持ち上がったこともあり、メディアの国会報道もほとんど疑惑追及に集中してしまいました。

その一方で、注目の法案も賛否巻き起こる中で、与党にによる賛成多数で成立していきました。

第189回国会で提出されて以来、継続審議となっていた「民法の一部を改正する法律案

性犯罪への厳罰化を盛り込んだ「刑法の一部を改正する法律案

そして「共謀罪」として話題になった「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案

来年末に、一つの時代の終わるを告げることになる「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案

 

他にも今国会では、内閣提出の法案が66も審議され、最終的に2つが衆議院での閉会中審査となった以外は、すべて成立しました。

 

一方で、衆議院参議院の各議員が提出した議員立法では、会期中の成立に至らず「審議未了」事実上の廃案となった法案が多数に上りました。

特に参議院では、提出された110の議員立法の内、撤回された一つを除いて、全て審議未了で廃案となってしまいました。

 

そもそも国会とは、国会議員たちが自ら法律を立案し、審議を経て可否を決めることで民主主義を担保する機関であります。

しかしながら、実態は内閣提出の法案が優先的に審議・採決されています。

内閣提出とはつまり、個々の大臣が所属する省庁が提出した法案であり、官僚たちがすべてお膳立てしたものです。

膨大な量に上る国家の行政ルールの作成を、それぞれの専門家である官僚にある程度ゆだねるのは、現実的な問題としてやむを得ないところではあります。

 

しかし、提案された法案に重大な不備が無いか、しっかりチェックすることは国会の最低限の責務であります。

何事も官邸主導で物事が決められるという昨今、今こそ「良識の府」としての国会の役割は重要になっています。

 

安定した社会の実現のために、国会議員たちの責任は決して軽いものではありません。

閉会後も、一部の法案は衆議院で審査されることになっていますので、このブログでもそうした動きを引き続きチェックしていきたいと思います。

 

環境問題に関する法案が審議されました

19日(金)に開催された衆議院の環境委員会で、以下の3法案が審議の末、採決されました。

www.env.go.jp

www.meti.go.jp

www.env.go.jp

 

一つ目の「廃棄物の・・・」は、相変わらず多発する産業廃棄物の不正処理に対応するために、廃棄物処理業者の不正を防ぐための取り締まりを強化する改正案です。

 

二つ目の「特定有害廃棄物等の・・・」は、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」を遵守するための法律です。

平成4年に成立してから25年経過して、国際情勢の様々な変化に対応するために、取り締まりを強化すべきは強化する一方、書類手続きなどが煩雑すぎる点については、緩和すべきところは緩和するというのが、今回の改正案の趣旨です。

 

三つ目の「福島地方環境事務所の・・・」は、環境省の地方環境事務所を福島県にも設置しようという事案について、国会の承認を得ようというものです。

 

現在、福島県には「福島環境再生事務所」という組織があります。

この「福島環境再生事務所」の主要な業務は、福島第一原発事故で汚染された地区を除染することです。

この「再生事務所」というのは、環境省の組織上は「支所」という扱いなのですが、これを「支局」という扱いに格上げすることで、福島の復興を強力に進めていこうというのが、今回の承認申請の趣旨です。

 

審議の結果、「廃棄物の・・・」と「特定有害廃棄物等の・・・」については、全会一致で採決されましたが、「福島地方環境事務所の・・・」については、日本共産党のみが提案内容の一部に異議があるということで反対したため、全会一致の採決とはなりませんでした。

 

日本共産党が問題視したのは、福島地方環境事務所への出向職員の任期が、3年間と区切られている職員が多いという点で、いつ終わるか分からない事業なのに期限を区切るのは、いかがなものか?というわけです。

 

期限を区切る、という点については、任期が長くなることで除染業者との癒着が起きる恐れがあるというのが理由の一つであります。

実際この3月に、汚職事件が摘発されています。

www.sankei.com

 

まあ、こうした事件が起こると一理あるとは思うのですが、期限を区切っても不正を働く人間は、やはりやるのではという気もするので、権限の大きい職員以外は、無理に任期を設けなくてもいいのでは、という気もします。

 

なんにせよ、この後、衆議院本会議を経て、参議院でも審議されて成立するでしょうが、実際に業務に従事する職員には、自分の職分をわきまえてしっかり仕事をしていただきたいものです。

 

 

 

 

20年近く放置されていた不思議

5月17日(水)に開催された衆議院国土交通委員会で、こちらの法案が採決されました。

www.mlit.go.jp

この法案、主眼は外国からのクルーズ船の増加に対応するべく、官民が連携してクルーズ船を受け入れられる港を整備していこうというものなのですが、私が気になったのは、もう一つの改正内容の「非常災害時における国土交通大臣による円滑な港湾施設の管理制度の創設」です。

 

法案を提出した国土交通省の説明によると、この非常災害時の新しい制度を設けるきっかけになったのは、

熊本地震の発生後、通常の貨物船に加え、自衛隊海上保安庁等の支援船舶が集中したことにより、港 湾が過度に混雑し、港湾利用者との円滑な調整等 に支障」が出たのがきっかけだそうです。

で、「 切迫性が指摘される南海トラフ地震等の大規模災害 に備え、非常災害時における港湾利用者との調整 等を円滑に実施するための仕組みが必要」ということで、今回の法改正に盛り込まれたとのこと。

 

この国土交通省の説明を読んだ時の私の率直な感想が、

「今頃、何を言ってやがる!」

です。

 

ここ20年近くの間だけでも、阪神・淡路大震災に始まり、東日本大震災まで、大規模災害がどれだけ起こっていたか、子供でも知っている話です。

当然、同じような問題は、災害発生の都度、起こっていたわけで、もし本当に国土交通省熊本地震で初めて気づかされたというなら、その危機意識を疑わずにはいられません。

 

案の定というか、委員会でも質疑に立った議員から、今までこの制度が無かったことへの疑問がぶつけられています。

これに対する国土交通省の答弁は、大まかに言うと

「港湾の運営は、地方自治体などの地域の自主性に任せるというのが港湾法の基本方針だったから」

という、言い訳にもなっていないような内容でした。

 

まあ無いよりはあった方がいい制度には違いないので、これが来たるべき災害の発生時に役にたつことを期待したいですが、当たり前だと思っていたことが出来ていないということが往々にして存在するという事実に、うすら寒いものを感じた一件でした。