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国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

ギャンブル等依存症対策基本法案が提出されました

安倍総理大臣の訪米も無事終えて、衆議院では再び予算委員会での審議が再開されますが、金田法務大臣、稲田防衛大臣、松野文部科学大臣が、それぞれの抱えた問題で矢面に立たされるのは確実な状況です。

特に金田法務大臣の想像以上の頼りなさは、安倍総理大臣も頭のイタイところでしょう。

 

とまあ、衆議院の状況ばかりが目立って、その間、参議院議員は本当に何をしてるの?と言いたくなりますが、動いている人はそれなりに色々動いているようです。

その一つがこちら。

www.nikkei.com

2013年(平成25年)に日本維新の会が国会に提出して以来、再提出や修正など3年の間すったもんだした末に昨年成立したのが「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」です。

法案提出者である日本維新の会は、この法律によって日本にもラスベガスのようなカジノを含むリゾートが作れるようにして外国人観光客を誘致しようと主張していました。

これに対して自由民主党は、安倍総理大臣が将来の改憲に向けて多数派を構成するために、日本維新の会に恩を売ろうと賛成したのが、揉めに揉めたこの法案のケチの付き始め。

まあ何とか成立にこぎつけましたが、法案審議で一番問題とされたのが、「ギャンブル依存者を増やすことになる」という主張でした。

まあ「ギャンブル依存症」については、別にカジノがない現在でも、パチンコや公営ギャンブルで身を持ち崩す人はたくさんいるので、この法案だけに責任を押し付けるのも変な話ではあります。

とはいえ、法案の成立時には「ちゃんと対策も打つ」と賛成した人たちは主張していたので、このまま何もしなければ、まさに公約違反。

 

そこで、この法案の言い出しっぺである日本維新の会参議院議員たちが、今回「ギャンブル等依存症対策基本法案」を参議院を通じて提出しました。

法案の概要は、日本維新の会のホームページで公開されています。

o-ishin.jp

大まかな内容は、国・地方公共団体、ギャンブル事業者、医師など、関係者の果たす役割を決めた上で、各自がそれぞれの責任の範囲でギャンブル依存症患者の治療および発症を未然に防ぐことを目的とする、とあります。

また「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」を国が策定して、5年ごとに内容が時世に対応できているかどうかチェックする、ことも盛り込んでいます。

 

まあ、この法案自体は、実際にカジノが出来ようが出来まいが、あれば役には立つでしょう。

再就職等監視委員会について

ついこの間まで、文部科学省天下り問題を追及していたと思ったら、今や金田法務大臣と稲田防衛大臣のあやふや答弁を追求の真っ最中。

その変遷の速さについていけない方が悪いのか?はたまた、ツッコミどころがあれば何でもかんでも噛みつく野党が悪いのか?

 

まあ、その評価は個々人にお任せして、今回はこの文部科学省天下り問題を追求した再就職等監視委員会について、ちょっとお話を。

 

再就職等監視委員会とは、国家公務員の天下りが一向に減らないことから、2007年(平成19年)の第166回国会で可決・成立した「国家公務員法等の一部を改正する法律」を担保するものとして、内閣府に設置された機関です。

身内というべき国家公務委員の天下り問題をチェックするという重責を担う組織でしたが、折しも第1次安倍内閣福田内閣麻生内閣と、小泉内閣後の自由民主党政権は迷走続きで、野党が政権交代の可能性が高まったと勢いづいたため、国会は連日倒閣の話ばかりで、法案の審議などまともに出来たとは言えない状況でした。

再就職等監視委員会も、その嵐から無縁ではいられず、なんと2012年(平成24年)まで委員長と4人の委員全員の承認が下りないため空席という異常事態が続きました。

 

そんな多難な船出を余儀なくされた機関でしたが、いざ始動すると早速各省庁の天下り問題にメスを入れ始めます。

実は、今回の文部科学省の件以外にも、過去2件の天下り問題を調査して、その結果を公表するとともに、関係省庁に対して改善するよう指導をしています。

再就職等監視委員会 報道発表資料 - 内閣府

 

今回の件も、実は昨年12月の時点で、再就職等監視委員会は調査にあたっていたんですね。

その結果が、先月20日に公表されたことで、一躍国会で追及される次第となったわけです。

 

国会議員が本来の議論そっちのけで政争を繰り返していても、やることはちゃんとやっている人たちがいるおかげで、この国は安泰と思うと、嬉しいような、情けないような・・・

 

なんと!1日で10法案が提出! どさくさ紛れを狙ってる?

さて、衆議院予算委員会では、文部科学省天下り問題で盛り上がっていますが、そんな議論を横目に、新たな法案が提出されています。

その数、1日でなんと10法案!

 

www.meti.go.jp

2011年(平成23年)に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故による損害賠償と廃炉作業について、事故事業者である東京電力に必要な費用の積み立てを義務付けるという法案です。

ちょっと儲かったからと言って、身内にボーナスなど奮発したりせずに、きちんと貯めておきなさいということですね。

 

総務省:地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案

こちらは、先に提出されている所得税法の改正と連動する形で、地方税における配偶者控除の上限引き上げや自動車税の見直し。

またタワーマンションの固定資産税の見直しを始めとする、各種固定資産税の改正が盛り込まれています。

 

総務省:地方交付税法等の一部を改正する法律案

先日紹介しました衆議院総務委員会で審議された平成二十八年度第3次補正予算の執行を法的に裏付けするための法案です。

 

www.mof.go.jp

TPPを念頭に置いたものと思われる農作物の暫定税率の延長や税関の水際検査の強化のための法改正が盛り込まれています。

 

www.mof.go.jp

国際開発協会というのは国連の専門機関で、最貧国に長期無利息の借款を国際復興開発銀行よりもさらに長いスパンで貸し出す機関です。

今回その運営資金の第18次増資に応じるための法改正とのことです。

 

義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案:文部科学省

今話題の文部科学省から提出された法案です。

長ったらしい名前ですが、要約すると

各種学校の教職員の定数を是正する。

・学校事務職員が学校運営に積極的に関与できるように制度を改める。

が主な内容です。

文部科学省には、熱心に天下り先を探す暇があるなら、もっと本来の仕事を熱心にしてほしいものです。

 

地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案:厚生労働省

介護保険制度については、発足当初から「持続的に運営できるのか?」という疑問が上がっていましたが、現状はやはり「それ見たことか」という状況になりつつあります。

そこで「地域包括ケアシステム」を充実させることで、介護システムを安定的に維持しようということのようですね。

 

厚生労働省設置法の一部を改正する法律案:厚生労働省

この法律は非常にシンプルです。ズバリ!

厚生労働省に置かれる特別な職として、医務技監一人を置くこと及びその職務を規定する」

これだけです。

逆に言うと、今までそんな専門職を置いてなかったのか?と、ちょっと驚きです。

 

「原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定:原子力規制委員会

国際原子力機関の勧告等を踏まえて、日本の原子力政策の今度について指針を定めた法案です。

結構重要な法案だと思いますが、意外にしれっと提出されて、そのことをメディアもあまり報じていません。

 

駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案:防衛省・自衛隊

これは平成18年5月に日米安全保障協議委員会で承認された駐留軍等の再編を実施するため、「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法」の有効期限を平成39年3月31日まで延長することが中心となった法案です。

アメリカのトランプ政権の動向が不透明な昨今、この法案も地味なようで重要な役割を果たすかもしれませんね。

 

それにしても、1日で10もの法案が提出されているのに、どれだけの国民がその事実を知っているのでしょうか?

そしてその法案の大部分が、気がつけば可決してしまっているという現実。

国民一人一人が、もっと国会で起こっていることに関心を持つべきなのではないでしょうか?

そんなに悪いこと、言ってます?

昨日から今日にかけて、衆議院予算委員会であることを巡ってひと悶着がありました。

 

事の起こりは、今国会で政府が国会に提出を予定している「組織犯罪処罰法改正案」について、予算委員会で質疑が集中したことです。

www.iza.ne.jp

予算委員会で、提出もされていない法案の質問ばかりしてどうするのか、と思いますが、なにせ衆議院規則92条・参議院規則74条でそれぞれ「予算委員会では『予算』を所管事項とする」と規定されているので、「予算=国政全般」という解釈で伝統的にありとあらゆる質疑がOKとされてきた経緯があります。

また、法務大臣というのは、その役職の重さの割に、財務大臣外務大臣と比べてあまり大物政治家が就任しないという悪しき伝統があります。

そんなわけで、金田法務大臣が野党の追及にしどろもどろになってしまったわけです。

 

まあ、ここまではこれまでの国会でも、よくあった話ですが・・・、

www.iza.ne.jp

法務省が「国会に提出すらされていない法案について審議しても仕方がない。

提出後に担当する法務委員会で審議すればいいじゃないですか」とメディア向けに文書を発表するという、ちょっと異例の対応に出たのです。

 

これに民進党が「質問封じだ!」と反発したことから、

www.iza.ne.jp

結局、金田法務大臣がお詫びするという、なんともグダグダなことになってしまいました。

 

ただこの一件、金田法務大臣法務省の本音はともかく、「法案が提出されてから法務委員会で審議をするべき」という主張は、個人的には正論だと考えています。

 

そもそも、それぞれの法案を効率的に審議するために各委員会が設けられているわけで、それを「予算=国政全般」だからという理由で、予算委員会でなんでもかんでも質疑する現状がおかしいと思います。

 

正直、現状の予算委員会については「肝心の予算の中身についての審議はどうなっているの?」と言いたくなるような質疑ばかりです。

もちろん、予算案はある程度事前に野党側にも知らされるので、実際にそれほどヤイヤイ言うような内容ではないのかもしれません。

 

とはいえ、予算委員会本来の役割について考えれば、今の仕組みを良しとするのは、いかがなものかと思います。

2月3日(金) 新たに5つの法案が提出されました。

さて、世間の耳目は、国内では衆議院予算委員会、外交では安倍総理大臣とトランプアメリカ大統領との会談に集まっていますが、その間にも新たに5つの法案が内閣から提出されています。

 

法務省:裁判所職員定員法の一部を改正する法律案

こちらは、下級裁判所の判事の数を30人増やし、その逆に裁判所職員を30人減らすという法案です。

法案提出の理由として

下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加するとともに、裁判所の事務を合理化し、効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

とあります。

下級裁判所とは、高等裁判所地方裁判所簡易裁判所家庭裁判所のことで、全国に546か所あります。

「546か所もあるのに30人の増員で対応できるのかな?」

という疑問が沸き上がると同時に、

「事務の効率化のために30人減らす?その人数の根拠は?」

と思ってしまった次第です。

 

 

法務省:裁判所法の一部を改正する法律案

これは、時折話題になっている司法修習生の待遇の改善に関する法案です。

2000年(平成12年)に始まった司法制度改革の一環として、2006年(平成18年)度から新しい司法試験制度が導入されました。

この司法試験に合格して、法律家として専門の研修を受ける人を「司法修習生」と呼びます。

昔は、司法修習生は国家公務員と同じ待遇で、研修期間中は給与も支給されていました。

司法制度改革では、彼らの待遇についても改めることが協議され、その結果、2011年(平成23年)度の司法修習生から給与制を廃止し、代わりに研修中の資金を無利子で貸し付ける制度になりました。

これが

法科大学院に通わないと受験できないうえに、研修中もお金を貸し付けるとは、金持ち以外、法曹家になれないではないか!?」

という批判を招きました。

そんなわけで今回、法務省は「修習給付金」という形で、事実上の給与制度を復活させることにしたようです。

 

財務省:所得税法等の一部を改正する等の法律案

この法案の主な内容は

・法人の投資促進(設備投資や研究開発費に応じた税額の控除など)

・酒税、エコカー減税の見直し、延長など

・これまで特別立法で対応してきた災害に関する特例税制の統一

といったものが盛り込まれていますが、最大の目玉は、昨年から話題になっています「配偶者控除額の見直し」いわゆる「103万円の壁」の改正です。

 

安倍政権では「一億総活躍社会の実現」を掲げていますが、その一環として「既婚女性の就業環境の改善」があります。

その実現のためには、いろいろと制度上の問題があるのですが、その最たるものが「配偶者控除額の上限」でした。

これまでは配偶者が103万円以上の年間収入を上げた場合、配偶者控除が受けられなくなり、普通に所得税が徴収されていました。

これが女性の社会進出を妨げているという発想から、控除額の上限を150万円まで拡大しようというのが今回の法案の主旨です。

 

女性の社会進出のために一歩前進!というべきですが、実のところ、これで問題解決というわけではありません。

というのも所得税の控除枠はクリアしても、実は健康保険には「130万の壁」があります。

つまり所得税だけ条件を緩和しても、収入を大きく増やすわけにはいかないということですね。

他にも、待機児童の問題などクリアしないといけない問題は山積みです。

安倍政権には、引き続き努力していただきたいですね。

 

海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案について

これは近年、人材難が深刻になっている海運業を全面的に支援して、日本の海運業の維持そして発展を目標とした法案です。

長期間航海に出る海運業は、後継者不足で海外航路はおろか、国内航路の維持も厳しくなっているそうです。

 

www.mlit.go.jp

実はこの法案、額面通りに受け取ると「なんでわざわざこんな法案を?」と思うような内容ですが、最近増えている「ある事件」への対応策と考えると納得がいくのです。

www.sankei.com

www.asahi.com

こうした、いわゆる「貧困ビジネス」に低所得者や生活困窮者が食いものにされないように、住居を提供してくれる業者を登録させて管理しようというのが狙いだと思われます。

悪事を働くものは常に「法の死角」を突いてくるので、こういう法律の改正は、いたちごっこになりがちですが、やはり何もしないよりはマシなので、法案が成立したら効果が出ることを期待しましょう。

そもそも今年度予算案で何をしようというのか?

平成二十八年度の第三次補正予算案が、あっという間に可決してしまったと思ったら、2月1日(水)から早速平成二十九年度の一般会計と特別会計そして政府関係機関の予算案の審議が、衆議院予算委員会で始まりました。

 

この予算委員会での審議は、他に委員会と比べてメディアで取り扱われる頻度も高いので、その詳細をこのブログで紹介するのは控えます。

とはいえ、目立つ話題は報じても、肝心要の予算案がどういうものか、あまり紹介しないのがメディアの困ったところ。

 

そこであらためて、平成二十九年度予算案の内容を確認してみたいと思います。

とはいえ、詳細を事細かに紹介する余裕はないので、それはこちらの財務省ホームページに譲りましょう。

www.mof.go.jp

 

1月25日(水)の衆議院予算委員会ならびに1月30日(火)の参議院予算委員会で、冒頭に麻生財務大臣から、平成二十九年度予算案の方向性について説明がありました。

その概要は、

社会保障関係

 ・保育士及び介護人材等の処遇改善を行う

 ・保育の受け皿拡大

 ・年金受給資格期間の短縮など

 ・社会保障に係る改革工程表等に沿った医療・介護制度改革

・文教及び科学振興

 ・給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充

 ・大学改革、教育環境の整備等を推進

 ・民間投資による、経済成長力を高めるような研究開発の推進

地方財政

 ・歳出特別枠を減額するなど地方歳出を見直し

 ・地方の一般財源総額確保のため、地方交付税交付金等を増額

・防衛関係

 ・中期防衛力整備計画の実施

 ・沖縄の基地負担軽減等のための在日米軍再編事業

公共事業関係

 ・豪雨、台風災害等を踏まえた防災・減災対策

 ・民間投資による、経済成長力を高める事業などの推進

・経済協力

 ・難民対策等のグローバルな課題への対応

 ・ODA事業

・中小企業対策

 ・事業承継支援及び下請取引対策を充実

 ・生産性の向上や資金繰りの対策等

・エネルギー対策

 ・省エネルギーの推進支援

 ・国内外資源の開発・権益確保等を推進

 ・原子力防災対策等

・農林水産関係

 ・農林水産業の成長産業化を図るため、輸出力の強化や農業基盤整備の充実等に取り

・国家公務員の人件費

 ・給与改定や給与制度の総合的見直し

東日本大震災復興関連

 ・引き続き復興のステージに応じた課題に対応する

平成二十九年度財政投融資計画

 ・リニア中央新幹線の全線開業前倒し

 ・成長戦略の実行や地域活性化のため、長期のリスクマネーを積極的に供給

 

なんとも盛りだくさんですね。

まあ基本的には「アベノミクス」に基づく経済活性化によって財政再建を果たすという、ここ数年の予算案の方向性と大きな大差はありません。

強いて重点的に力が入っていると思われるポイントを挙げれば、2015年(平成27年)に安倍内閣がぶち上げた「一億総活躍社会」のための様々な制度改革というところでしょうか。

とはいえ、保育士の待遇改善や奨学金の問題は、かなり以前から問題になっていたわけで、それを「一億総活躍社会を実現する」と絡められても、何を今さら感がありますね・・・

 

先送り・・・、そしてまた先送り・・・

昨日、新たに「畜産物の価格安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案」が国会に提出されました。

www.minshin.or.jp

実はこの法案、昨年の第190回国会でも民進党を始めとする野党4党の議員の共同提案という形で審議されていました。

法案の概要は、TPPが正式に発効した場合に備えて、海外からの安価な輸入肉で打撃を受ける恐れがある日本の畜産農家を経営面で支えようというものです。

 

第190回国会の閉会後、継続審議(国会の用語では「閉会中審査」と言います)になっていました。

その後、第192回国会で、この法案を提出するきっかけとなった「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」いわゆる「TPP法案」が可決されました。

これに伴い、この法案を審議していた「環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会」が無くなってしまったため、どうも継続審議が事実上できなくなったようです。

 

トランプ政権の誕生でほぼ絶望的と言われるTPPですが、ひょっとして実現する運びになった場合に備えて、しかるべき委員会(おそらくは農林水産委員会)で協議して、早めに畜産業者を保護する対策をとっておこうということのようです。

 

ところで今国会で新たに提出された法案は、内閣提出のもの、議員立法のもの、予算案を含めて9案ですが、実はそれ以前に提出されていまだ継続審議中の法案があります。

その数、なんと89!

法案で一番古いのは、第189回国会で提出された16法案。

決算に至っては、第185回国会で提出された平成二十四年度の決算の承認が、未だに済んでいません。

第193回国会 議案の一覧

 

こういう状況を見ると、つくづく「国会は何をやっているのか?」という気分になってしまいます。

もちろん災害対策など緊急の案件が発生したために、その対応で時間が無くなったというのもあるでしょう。

それにしても、衆議院の委員会での審議にすらかかっていない法案が、あまりに多すぎます。

特に決算など、5年前のものがいまだに終わっていないなど、民間企業ならあり得ない話です。

この件については、議員の皆さんには、しっかり頑張っていただきたいと思う次第です。

 

ところで決算の案件の項目を見ているうちに、奇妙なものを見つけました。

決算 第190回国会 昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算

なんと!昭和十九年と二十年の決算が、まだ済んでいないというのです!

そこまで仕事をしていないのか、と頭に血が上りそうになりますが、どうやら話はそう簡単ではないようです。

この件については、昨年の都知事選で小池都知事を応援して話題になった若狭勝衆議院議員もブログで紹介しています。

blogos.com

どうやら戦後のドタバタで日本の海外植民地の資料が散逸してしまったため、なかなか決算資料が作れないうちに、とうとう70年たってしまったということのようです。

さすがに、これ以上引き延ばしても正確な決算資料は作れないということで、昨年の第190回国会で提出されたそうです。

今や平成が終わるかもしれないという話になってきている中、70年前の戦争の遺産がこうして蘇ってくる。

何とも言えない感慨がありますね。