国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

財政金融委員会で、今静かに話題になっている事案について、静かに追及がありました

今週に入ってから国会ではあまり目立った動きは無いようですが、常任委員会が少しずつ動き始めたようです。

 

そんな中で今回注目したのが、2月15日(水)に開催された財政金融委員会。

金正男氏暗殺や石原元都知事の証人喚問やらのニュースの陰に隠れていますが、

www.asahi.com

元々は豊中市議会の木村真議員が近畿財務局に情報公開請求をしたのがきっかけでしたが、当時はあまり大手メディアでは取り上げられていませんでした。

ところが非公開決定をした近畿財務局が「よけいな詮索をされたくない」と公開した結果、かえって話がややこしくなったという次第。

 

この問題については20日(月)の予算委員会での追及が報じられていましたが、実は15日(水)の財政金融委員会でも、すでに日本共産党宮本岳志議員が質問していました。

この時のやり取りは、まだ会議録になっていませんが、日本共産党の機関誌である「赤旗」で記事になっています。

森友学園への国有地売却 8億円値引き 口実崩壊/埋設ゴミ処理 未確認/宮本岳志議員 理事長の参考人招致要求/衆院委

 

森友学園というところは、なんでも「愛国教育」を掲げて、戦前のような教育をしているそうです。

www.mizuhonokuni.ed.jp

 

まあ、それ自体は個人の信条の問題ですし、教える方も学ぶ方も同意の上ですから、どうこう言う話はちょっと違うと思います。

しかし、時の権力者の「口利き」で、何らかの不正が行われたとしたら、これは話が別です。

 

トランプ大統領との会談も無事終えて、絶頂ともいえる状況の安倍総理大臣ですが、ひょっとすると思わぬところで足をすくわれるかもしれませんね。

 

この件は、さすがに野党も「絶好のネタ」と思っているようなので、審議の経過に注目していこうと思います。

こういうのも仕事のうちなんですねぇ・・・

予算委員会以外の各委員会は、開催したりしなかったりと、何を基準に活動しているのか今一つよく分かりませんが、こうした純粋な審議以外に「こんなこともするの?」という活動もしています。

 

それがこちら。

ノーベル賞受賞者に対する表祝行事

2016年ノーベル生理学・医学賞を授与された東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんをお迎えして、表彰とお祝いをしたそうです。

同じことは、参議院でも行われたそうで、

ノーベル賞受賞者に対する祝意表明(平成29年2月14日):参議院

 

大隈先生もいろいろ呼び出されて大変ですね。

しかし・・・、

これって、いる?

 

他にも、こういう行事もありました。

カナダ連邦議会議員団一行の衆議院訪問

アルメニア共和国国民議会議長一行の衆議院訪問

まあまあ、こういうのは「アリ」でしょうね。

 

また「暇そうな」参議院では、15日(水)に本会議が開催されて、安倍総理大臣の訪米報告が行われたそうです。

米国訪問に関する報告(平成29年2月15日):参議院

面白いことに、衆議院では翌日に本会議が開催されているのに、この報告がありませんでした。

まあ、予算委員会で聞かれるだろうから、わざわざ衆議院でやる必要はない、ということなんでしょうか?

 

各委員会が始動し始めました

安倍総理大臣の訪米が無事終了したと思ったら、北朝鮮のミサイル発射、さらには金正男氏の暗殺と、世界情勢は相変わらず予測不能な状況が続いています。

 

翻って我が国会の動向をみると、14日(火)から、予算委員会以外の各常任委員会が、いよいよ動き始めたようです。

まず14日(火)から始まったのが

・総務委員会

・財政金融委員会

農林水産委員会

総務委員会は、厳密には平成二十八年度補正予算の審議のために国会の開会直後に開かれていますので、今回で2回目となります。

今回、議題となったのは、

放送法の一部を改正する法律案
行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案
日本放送協会NHK)の平成二十四年から二十七年度までの、財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書
・行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件
地方自治及び地方税財政に関する件
・情報通信及び電波に関する件
・郵政事業に関する件
・消防に関する件

となっています。

 

財政金融委員会では

国政調査承認要求に関する件
・国及び地方公共団体の責任ある財政運営の確保を図るための財政の健全化の推進に関する法律案
・格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案
・消費税率の引上げの期日の延期及び給付付き税額控除の導入等に関する法律案

が議題となっています。

 

農林水産委員会では

国政調査承認要求に関する件
・農業者戸別所得補償法案
・農地・水等共同活動の促進に関する法律案
・中山間地域その他の条件不利地域における農業生産活動の継続の促進に関する法律

環境保全型農業の促進を図るための交付金の交付に関する法律案

・国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案

・国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案

他の委員会と比べると、法案の審議が大部分を占めているようです。

ここに紹介した法案は、すべて民進党岸本周平議員を中心とする5名の衆議院議員が、第189回国会で提出したもので、今国会まで継続審議となっていました。

内容を見ると、農林業従事者の所得補償を主眼としたものが多いようです。

法案を提出した岸本議員の地元は和歌山県

和歌山県は、今回提出されている法案が対象とする中山間地域の農業や林業第1次産業の大部分を占めています。

この辺りも、今回の法案が提出された事情と関係があるかもしれませんね。

 

ギャンブル等依存症対策基本法案が提出されました

安倍総理大臣の訪米も無事終えて、衆議院では再び予算委員会での審議が再開されますが、金田法務大臣、稲田防衛大臣、松野文部科学大臣が、それぞれの抱えた問題で矢面に立たされるのは確実な状況です。

特に金田法務大臣の想像以上の頼りなさは、安倍総理大臣も頭のイタイところでしょう。

 

とまあ、衆議院の状況ばかりが目立って、その間、参議院議員は本当に何をしてるの?と言いたくなりますが、動いている人はそれなりに色々動いているようです。

その一つがこちら。

www.nikkei.com

2013年(平成25年)に日本維新の会が国会に提出して以来、再提出や修正など3年の間すったもんだした末に昨年成立したのが「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」です。

法案提出者である日本維新の会は、この法律によって日本にもラスベガスのようなカジノを含むリゾートが作れるようにして外国人観光客を誘致しようと主張していました。

これに対して自由民主党は、安倍総理大臣が将来の改憲に向けて多数派を構成するために、日本維新の会に恩を売ろうと賛成したのが、揉めに揉めたこの法案のケチの付き始め。

まあ何とか成立にこぎつけましたが、法案審議で一番問題とされたのが、「ギャンブル依存者を増やすことになる」という主張でした。

まあ「ギャンブル依存症」については、別にカジノがない現在でも、パチンコや公営ギャンブルで身を持ち崩す人はたくさんいるので、この法案だけに責任を押し付けるのも変な話ではあります。

とはいえ、法案の成立時には「ちゃんと対策も打つ」と賛成した人たちは主張していたので、このまま何もしなければ、まさに公約違反。

 

そこで、この法案の言い出しっぺである日本維新の会参議院議員たちが、今回「ギャンブル等依存症対策基本法案」を参議院を通じて提出しました。

法案の概要は、日本維新の会のホームページで公開されています。

o-ishin.jp

大まかな内容は、国・地方公共団体、ギャンブル事業者、医師など、関係者の果たす役割を決めた上で、各自がそれぞれの責任の範囲でギャンブル依存症患者の治療および発症を未然に防ぐことを目的とする、とあります。

また「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」を国が策定して、5年ごとに内容が時世に対応できているかどうかチェックする、ことも盛り込んでいます。

 

まあ、この法案自体は、実際にカジノが出来ようが出来まいが、あれば役には立つでしょう。

再就職等監視委員会について

ついこの間まで、文部科学省天下り問題を追及していたと思ったら、今や金田法務大臣と稲田防衛大臣のあやふや答弁を追求の真っ最中。

その変遷の速さについていけない方が悪いのか?はたまた、ツッコミどころがあれば何でもかんでも噛みつく野党が悪いのか?

 

まあ、その評価は個々人にお任せして、今回はこの文部科学省天下り問題を追求した再就職等監視委員会について、ちょっとお話を。

 

再就職等監視委員会とは、国家公務員の天下りが一向に減らないことから、2007年(平成19年)の第166回国会で可決・成立した「国家公務員法等の一部を改正する法律」を担保するものとして、内閣府に設置された機関です。

身内というべき国家公務委員の天下り問題をチェックするという重責を担う組織でしたが、折しも第1次安倍内閣福田内閣麻生内閣と、小泉内閣後の自由民主党政権は迷走続きで、野党が政権交代の可能性が高まったと勢いづいたため、国会は連日倒閣の話ばかりで、法案の審議などまともに出来たとは言えない状況でした。

再就職等監視委員会も、その嵐から無縁ではいられず、なんと2012年(平成24年)まで委員長と4人の委員全員の承認が下りないため空席という異常事態が続きました。

 

そんな多難な船出を余儀なくされた機関でしたが、いざ始動すると早速各省庁の天下り問題にメスを入れ始めます。

実は、今回の文部科学省の件以外にも、過去2件の天下り問題を調査して、その結果を公表するとともに、関係省庁に対して改善するよう指導をしています。

再就職等監視委員会 報道発表資料 - 内閣府

 

今回の件も、実は昨年12月の時点で、再就職等監視委員会は調査にあたっていたんですね。

その結果が、先月20日に公表されたことで、一躍国会で追及される次第となったわけです。

 

国会議員が本来の議論そっちのけで政争を繰り返していても、やることはちゃんとやっている人たちがいるおかげで、この国は安泰と思うと、嬉しいような、情けないような・・・

 

なんと!1日で10法案が提出! どさくさ紛れを狙ってる?

さて、衆議院予算委員会では、文部科学省天下り問題で盛り上がっていますが、そんな議論を横目に、新たな法案が提出されています。

その数、1日でなんと10法案!

 

www.meti.go.jp

2011年(平成23年)に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故による損害賠償と廃炉作業について、事故事業者である東京電力に必要な費用の積み立てを義務付けるという法案です。

ちょっと儲かったからと言って、身内にボーナスなど奮発したりせずに、きちんと貯めておきなさいということですね。

 

総務省:地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案

こちらは、先に提出されている所得税法の改正と連動する形で、地方税における配偶者控除の上限引き上げや自動車税の見直し。

またタワーマンションの固定資産税の見直しを始めとする、各種固定資産税の改正が盛り込まれています。

 

総務省:地方交付税法等の一部を改正する法律案

先日紹介しました衆議院総務委員会で審議された平成二十八年度第3次補正予算の執行を法的に裏付けするための法案です。

 

www.mof.go.jp

TPPを念頭に置いたものと思われる農作物の暫定税率の延長や税関の水際検査の強化のための法改正が盛り込まれています。

 

www.mof.go.jp

国際開発協会というのは国連の専門機関で、最貧国に長期無利息の借款を国際復興開発銀行よりもさらに長いスパンで貸し出す機関です。

今回その運営資金の第18次増資に応じるための法改正とのことです。

 

義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案:文部科学省

今話題の文部科学省から提出された法案です。

長ったらしい名前ですが、要約すると

各種学校の教職員の定数を是正する。

・学校事務職員が学校運営に積極的に関与できるように制度を改める。

が主な内容です。

文部科学省には、熱心に天下り先を探す暇があるなら、もっと本来の仕事を熱心にしてほしいものです。

 

地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案:厚生労働省

介護保険制度については、発足当初から「持続的に運営できるのか?」という疑問が上がっていましたが、現状はやはり「それ見たことか」という状況になりつつあります。

そこで「地域包括ケアシステム」を充実させることで、介護システムを安定的に維持しようということのようですね。

 

厚生労働省設置法の一部を改正する法律案:厚生労働省

この法律は非常にシンプルです。ズバリ!

厚生労働省に置かれる特別な職として、医務技監一人を置くこと及びその職務を規定する」

これだけです。

逆に言うと、今までそんな専門職を置いてなかったのか?と、ちょっと驚きです。

 

「原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定:原子力規制委員会

国際原子力機関の勧告等を踏まえて、日本の原子力政策の今度について指針を定めた法案です。

結構重要な法案だと思いますが、意外にしれっと提出されて、そのことをメディアもあまり報じていません。

 

駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案:防衛省・自衛隊

これは平成18年5月に日米安全保障協議委員会で承認された駐留軍等の再編を実施するため、「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法」の有効期限を平成39年3月31日まで延長することが中心となった法案です。

アメリカのトランプ政権の動向が不透明な昨今、この法案も地味なようで重要な役割を果たすかもしれませんね。

 

それにしても、1日で10もの法案が提出されているのに、どれだけの国民がその事実を知っているのでしょうか?

そしてその法案の大部分が、気がつけば可決してしまっているという現実。

国民一人一人が、もっと国会で起こっていることに関心を持つべきなのではないでしょうか?

そんなに悪いこと、言ってます?

昨日から今日にかけて、衆議院予算委員会であることを巡ってひと悶着がありました。

 

事の起こりは、今国会で政府が国会に提出を予定している「組織犯罪処罰法改正案」について、予算委員会で質疑が集中したことです。

www.iza.ne.jp

予算委員会で、提出もされていない法案の質問ばかりしてどうするのか、と思いますが、なにせ衆議院規則92条・参議院規則74条でそれぞれ「予算委員会では『予算』を所管事項とする」と規定されているので、「予算=国政全般」という解釈で伝統的にありとあらゆる質疑がOKとされてきた経緯があります。

また、法務大臣というのは、その役職の重さの割に、財務大臣外務大臣と比べてあまり大物政治家が就任しないという悪しき伝統があります。

そんなわけで、金田法務大臣が野党の追及にしどろもどろになってしまったわけです。

 

まあ、ここまではこれまでの国会でも、よくあった話ですが・・・、

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法務省が「国会に提出すらされていない法案について審議しても仕方がない。

提出後に担当する法務委員会で審議すればいいじゃないですか」とメディア向けに文書を発表するという、ちょっと異例の対応に出たのです。

 

これに民進党が「質問封じだ!」と反発したことから、

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結局、金田法務大臣がお詫びするという、なんともグダグダなことになってしまいました。

 

ただこの一件、金田法務大臣法務省の本音はともかく、「法案が提出されてから法務委員会で審議をするべき」という主張は、個人的には正論だと考えています。

 

そもそも、それぞれの法案を効率的に審議するために各委員会が設けられているわけで、それを「予算=国政全般」だからという理由で、予算委員会でなんでもかんでも質疑する現状がおかしいと思います。

 

正直、現状の予算委員会については「肝心の予算の中身についての審議はどうなっているの?」と言いたくなるような質疑ばかりです。

もちろん、予算案はある程度事前に野党側にも知らされるので、実際にそれほどヤイヤイ言うような内容ではないのかもしれません。

 

とはいえ、予算委員会本来の役割について考えれば、今の仕組みを良しとするのは、いかがなものかと思います。