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国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

3月後半の各委員会の動向

このブログの主旨は、メディアがあまり取り上げない国会の動きを紹介するということですので、本日は「森友学園問題」で熱くなっている委員会は脇に置いて、それ以外の委員会が地道に活動している状況を紹介します。

 

まずは衆議院の法務委員会。

こちらは話題の「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」が21日(火)に提出されましたが、現在のところは裁判所法の一部を改正する法律案」と「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案」が審議の対象になっています。

この法案の眼目は、先日の記事でも紹介しました「司法修習生の研修期間中の報酬」に関する改正です。

21日(火)と22日(水)は、金田法務大臣をはじめとする法務省中枢が出席して、司法制度全体の見直しについて議論が行われました。

 

もっとも金田法務大臣の「やる気ねぇ~」オーラ全開の答弁は、見ているだけで不快になりますが・・・

24日(金)には、元東京地検検事で企業のコンプライアンス問題などで有名な郷原信郎弁護士をはじめとする3名の参考人を招いての質疑が行われました。

新司法制度になってから、司法関係者のレベルが下がったと言われることも多いようですね。

法治国家にとって司法制度の弱体は致命的な問題です。

外部の専門家の意見は、最大限尊重してほしいものです。

 

続いては、22日(水)に開催された文部科学委員会

こちらでは、これも提出済みの「独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案」が審議されました。

この法律案の一番のポイントは、奨学金制度の見直しです。

奨学金をもらったはいいが、社会人になってから奨学金の返済に追われて生活に困窮するという事例が増えていることから、奨学金制度の在り方そのものを見直そうというものです。

法律案の内容については、日本共産党から受給条件の緩和などを盛り込んだ一部修正が提案されたようですが、最終的には原案通りということで全会一致で可決されました。

こちらは近いうちに衆議院本会議で可決の上、参議院に送られると思われます。

 

外務委員会では、22日(水)に、アメリカ、オーストラリア、イギリスの各軍との間で、互いに後方支援をしたり軍事用備品を融通し合ったりする条約の締結について審議が行われました。

こちらは15日(水)から断続的に審議されていたもので、22日(水)をもって、自民・公明・維新の賛成多数で条約を締結すべきものとして承認されました。

後方支援の在り方など、細かいところでいささか不安も無いではない条約ですが、昨今の国際情勢を鑑みても、最も信頼できる3か国とこの種の条約を締結しておくことは、国益という観点から疎かには出来ないと思います。

 

他にもいくつかの委員会が開催されていますが、具体的に法案や条約の内容について審議が行われたのは、以上でした。

 

平成二十九年度予算案 成立!

もはや「森友学園問題」一色となってしまった国会ですが、なんと昨日、参議院で平成二十九年度の一般・特別・政府関係機関の3予算案が成立しました。

 

つくづく「ちゃんと中身確認した?」と言いたくなるような展開で成立してしまいましたが、まあ新年度ももうすぐ始まる状況なので、このまま成立しないというのはそれなりに具合が悪いので、とりあえず成立自体はめでたいことではありますが・・・

 

ところで、この予算案と一緒に、かけこみのように成立した法案があります。

それが「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案

です。

これは元々、沖縄をはじめとする在日米軍の再編を支援するために作られた特別法で、実は今年で期限が切れてしまう法律でした。

しかし、ニュースでもご存じのとおり、米海兵隊普天間から辺野古への移転が揉めに揉めてなかなか進まないため、さらに10年延期してしまおうというのが、この改正案の趣旨です。

 

国会は相変わらず混乱の極みですが、国の政策諸々はいつの間にやら進んで行っているようで。

 

それはそれで、怖いような気がします。

ご無沙汰しております。こうしている間にもどんどん法案が・・・

ちょっと体調不良などもあり、前回から更新がだいぶ滞ってしまいました。

その間に、国会では「森友学園問題」で、とうとう証人喚問まで行われて、ほとんどの審議はストップ状態のようです。

 

審議は止まっていても、政府は法案をどんどん出してきます。

ほとんどは既存の法律の一部改正案で、3月7日から10日にかけて、18もの法案が提出されました。

この内、

港湾法の一部を改正する法律案

・通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案

港湾法の一部を改正する法律案

住宅宿泊事業法案

は、いわゆる「観光立国」に向けた規制緩和が目的の法改正案です。

 

また

医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案

国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案

学校教育法の一部を改正する法律案

医療法等の一部を改正する法律案

は、安倍政権が提唱する「成長戦略」の一環としての規制緩和や法整備になります。

 

そして

地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案

・電子委任状の普及の促進に関する法律案

地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案

地方自治法等の一部を改正する法律案

は、地方自治体の事務の効率化を促進するための関連法案となります。

 

廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案

特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案

は、それぞれ環境省経済産業省から提出の法案ですが、共に世界的な環境問題に関連した各種条約の締結に向けて体制を整えるためのものです。

 

この内、

●医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案

は、個人情報保護の問題も密接に絡んでくる問題なので、慎重に審議してほしいものですが・・・

今国会最大の目玉となるはずだった「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」も、影が薄くなってきている今日この頃。

気がついたら成立してました、だけは勘弁してほしいですね。

 

会議は踊る・・・

ちょっと更新が疎かになっていました。

 

ところで、平成二十九年度予算案を受け取った参議院予算委員会では、相変わらず「森友学園問題」が議題の中心になっています。

もう予算の内容なんて、誰も興味を持っていないような状況ですが、こういうドタバタの中で、意外と重要な法案があっさり成立していくんでしょうね。

 

先週に入って、それまで目立った動きのなかった衆議院の各委員会も、ようやくそれぞれの管轄する法案の審議に入ったようです。

 

まずは先のブログで紹介しました農業に関する3つの法案。

こちらは3月8日の農林水産委員会で審議が始まりました。

第193回国会3月8日農林水産委員会ニュース

 

国土交通委員会では2月3日に提出されていた「海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案」の審議がひと月近くもたって、ようやく始まりました。

 

法務委員会では、今国会での提出が微妙になってきている「組織犯罪処罰法」回線案の「テロ等準備罪」の内容についての審議が始まりました。

こちらは先に予算委員会で金田法務大臣が吊し上げられる原因となった法案ですが、ようやく金田法務大臣の希望通り、法務委員会で審議されることになったわけです。

もっとも大臣の方は、予算委員会の時と変わらず「まだ提出もしていないので何とも言えない」という答弁に終始しているようですが・・・

news.tbs.co.jp

 

文部科学委員会では、「義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案」についての審議が始まった・・・と言いたいところですが、こちらも文部官僚の天下り問題や「森友学園問題」が話題の中心になってします。

どちらも世間の関心が高い重大なことですが、肝心の法案の精査もお忘れなく。

 

厚生労働委員会も似たような状況で、「雇用保険法等の一部を改正する法律案」についての審議よりも「森友学園問題」が話題になってしまっています。

 

 

経済産業委員会では、特定の法律の審議はなく、経済政策全般についての質疑が中心となっています。

 

安全保障委員会では「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案」の審議が始まりましたが、質疑の内容は、やはり北朝鮮の動静や南スーダンPKOの問題に集中しているようです。

 

そして他の委員会と比べて比較的早くから活動をしていた総務委員会。

こちらは、世間の騒動とは一線を引いた形で、地方自治に関する審議を黙々と続けています。

今日、3月14日には、委員会起草の法案として「過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案」を国会に提出することになったそうです。

政府・与野党全員一致での法案らしいので、近々本会議で成立するものと思われます。

 

 

 

 

JA解体の序章?

昨日の記事で、政府提出法案がまだ29ほど手付かずで残っていると紹介しましたが、あらためてその内容を見ていくと、ある事に気がつきました。

それは・・・、農業関連の法案が多いこと。

農業競争力強化支援法案

農業機械化促進法を廃止する等の法律案

主要農作物種子法を廃止する法律案

土地改良法等の一部を改正する法律案

農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案

農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案

 

実は、これらの法案、昨年11月に内閣府の「農林水産業・地域の活力創造本部」がまとめた日本農業の改革案を具体化するためのものなんです。

www.sankei.com

もともとはTPPの発行を踏まえて日本の農業生産力を強化しようという趣旨でしたが、トランプ政権の誕生で事実上TPPがご破算になったにもかかわらず、政府がこの法案を提出するのはなぜか?

 

公式には「TPPの有無にかかわらず日本農業の国際競争力を高めないといけない」ということですが、その実態は昨年頻繁に報道されていた通り、JAの政治力を弱めることにあるのは間違いありません。

 

自由民主党にとっての大票田であるJAは、本来もっとも敵に回してはいけない組織ですが、グローバル経済という立場で見た場合、政府にとってその存在が目障りになっていたのは事実です。

上記の法案では「農業の競争力の強化」という名目で、それまでJA経由で購入することがほとんどだった農機具や種苗などの購入を自由化したり、農地の流動性を高めるための仕組みづくりなど、今までJAを通さないと話が進まなかったことを全て無力化しようという意思が見えます。

 

昨年の「農林水産業・地域の活力創造本部」での会議で、世間的にはすっかり悪役になってしまったJAですが、小規模農家が多い日本の農業において大きな役割を果たしてきたのも事実です。

しかし「JA職員を食べさせるために農業をやっている」などと揶揄されるほど肥大化して典型的な官僚組織となってしまったのも、また事実。

 

アメリカやオーストラリアと違い、国土面積に限りがある日本で、同じようなスタイルの農業を行うのは無理があります。

いささか感情的な対立となっている政府とJAの関係ですが、日本農業の将来のために本当に必要なことは何なのか?

それを冷静に見極めるためにも、国会が間に立ってしっかりと審議してもらいたいですね。

参議院で先議している法案について

衆議院での平成二十九年度予算案の可決を受けて、28日(火)から参議院予算委員会でも審議が始まりましたが、その内容はほぼほぼ安倍総理大臣と森友学園の関係についての質疑ばかり。

もはや予算など何処へやらという感じですが、その一方で参議院で先議が始まった法律案が2つあります。

それがこちら。

農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案

本来法律案は、衆議院が先に審議するのですが、そうすると衆議院が法律案を可決するまで参議院は、ほとんど「ヒマ」な状態になります。

会期中の国会議員の給与は審議の有無にかかかわらず発生しますから、そうなると参議院議員を遊ばせておくことになってしまいます。

そこで、法律案によっては参議院に先に審議させることもあるのです。

 

とはいえ、上記法律案はどちらも昨日国会に提出されたばかりなので、審議を始めている委員会はまだどこにもありません。

内容から言って、「農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案」は農林水産委員会

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案」は、厚生労働委員会で審議されると思われます。

 

一方の衆議院も、予算案が可決したとはいえ、未だ今国会への政府提出案だけで、3月1日(水)現在、29もの法律案が審議を待っている状況です。

国会の開会直後に開会式程度の議事しかしていない委員会も多いようですので、しっかり審議して国政に活かしてほしいものです。

衆議院で平成二十九年度予算案が可決されました

昨日27日(月)の夕方、衆議院本会議が開催され、平成二十九年度予算案(一般会計・特別会計政府関係機関予算)が可決されました。

 

その前哨戦となる予算委員会では、終盤はもっぱら「森友学園問題」が中心になり、予算の審議だか何だか分からない展開でしたが、個人的にはこういう不審な点を問いただす場は、別に委員会を設けた方がじっくり時間もかけることが出来ていいんじゃないかと思っています。

 

さて予算案が可決されると同時に、実はあと三つ重要な法案が可決されましたが、こちらはあまりメディアでも報じられていないのではないでしょうか。

 

一つは、地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律案

二つ目は地方交付税法等の一部を改正する法律案です。

そして最後に、所得税法等の一部を改正する等の法律案

上二つは衆議院総務委員会で、最後の所得税の改正法案は財政金融委員会で、地味に審議されていました。

 

過去の記事でも紹介しましたが、この3つの法案は、基本的には配偶者控除の見直しと

それに伴う税収減の補てん策、そして地方税の財源不足への対応策が盛り込まれています。

とは言え、上記3つの法案には、現在分の具体的な補てん策が盛り込まれていないので、結局のところは臨時財政対策債の発行や、先に可決した平成二十八年度補正予算などで埋め合わせるという付け焼刃な対応に終始することになるようです。

 

本当は、こういう事態を何とかするために予算委員会があるはずなんですけどねぇ。

 

今日から参議院予算委員会が始まりますが、中心となる話題は相変わらず安倍総理大臣の森友学園に対する口利き疑惑。

 

こういうことは特別委員会を作って審議した方がいいと思うんですが、特別委員会は国会の決議を経て初めて設けることが出来る仕組みなので、与党が反対に回ったら出来ないんですよね。

 

こういう政治家絡みのトラブルは頻繁に起こっているので、いっそのこと「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」とかを常任委員会にした方がいいんじゃないかと思う次第です。