国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

2月3日(金) 新たに5つの法案が提出されました。

さて、世間の耳目は、国内では衆議院予算委員会、外交では安倍総理大臣とトランプアメリカ大統領との会談に集まっていますが、その間にも新たに5つの法案が内閣から提出されています。

 

法務省:裁判所職員定員法の一部を改正する法律案

こちらは、下級裁判所の判事の数を30人増やし、その逆に裁判所職員を30人減らすという法案です。

法案提出の理由として

下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加するとともに、裁判所の事務を合理化し、効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

とあります。

下級裁判所とは、高等裁判所地方裁判所簡易裁判所家庭裁判所のことで、全国に546か所あります。

「546か所もあるのに30人の増員で対応できるのかな?」

という疑問が沸き上がると同時に、

「事務の効率化のために30人減らす?その人数の根拠は?」

と思ってしまった次第です。

 

 

法務省:裁判所法の一部を改正する法律案

これは、時折話題になっている司法修習生の待遇の改善に関する法案です。

2000年(平成12年)に始まった司法制度改革の一環として、2006年(平成18年)度から新しい司法試験制度が導入されました。

この司法試験に合格して、法律家として専門の研修を受ける人を「司法修習生」と呼びます。

昔は、司法修習生は国家公務員と同じ待遇で、研修期間中は給与も支給されていました。

司法制度改革では、彼らの待遇についても改めることが協議され、その結果、2011年(平成23年)度の司法修習生から給与制を廃止し、代わりに研修中の資金を無利子で貸し付ける制度になりました。

これが

法科大学院に通わないと受験できないうえに、研修中もお金を貸し付けるとは、金持ち以外、法曹家になれないではないか!?」

という批判を招きました。

そんなわけで今回、法務省は「修習給付金」という形で、事実上の給与制度を復活させることにしたようです。

 

財務省:所得税法等の一部を改正する等の法律案

この法案の主な内容は

・法人の投資促進(設備投資や研究開発費に応じた税額の控除など)

・酒税、エコカー減税の見直し、延長など

・これまで特別立法で対応してきた災害に関する特例税制の統一

といったものが盛り込まれていますが、最大の目玉は、昨年から話題になっています「配偶者控除額の見直し」いわゆる「103万円の壁」の改正です。

 

安倍政権では「一億総活躍社会の実現」を掲げていますが、その一環として「既婚女性の就業環境の改善」があります。

その実現のためには、いろいろと制度上の問題があるのですが、その最たるものが「配偶者控除額の上限」でした。

これまでは配偶者が103万円以上の年間収入を上げた場合、配偶者控除が受けられなくなり、普通に所得税が徴収されていました。

これが女性の社会進出を妨げているという発想から、控除額の上限を150万円まで拡大しようというのが今回の法案の主旨です。

 

女性の社会進出のために一歩前進!というべきですが、実のところ、これで問題解決というわけではありません。

というのも所得税の控除枠はクリアしても、実は健康保険には「130万の壁」があります。

つまり所得税だけ条件を緩和しても、収入を大きく増やすわけにはいかないということですね。

他にも、待機児童の問題などクリアしないといけない問題は山積みです。

安倍政権には、引き続き努力していただきたいですね。

 

海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案について

これは近年、人材難が深刻になっている海運業を全面的に支援して、日本の海運業の維持そして発展を目標とした法案です。

長期間航海に出る海運業は、後継者不足で海外航路はおろか、国内航路の維持も厳しくなっているそうです。

 

www.mlit.go.jp

実はこの法案、額面通りに受け取ると「なんでわざわざこんな法案を?」と思うような内容ですが、最近増えている「ある事件」への対応策と考えると納得がいくのです。

www.sankei.com

www.asahi.com

こうした、いわゆる「貧困ビジネス」に低所得者や生活困窮者が食いものにされないように、住居を提供してくれる業者を登録させて管理しようというのが狙いだと思われます。

悪事を働くものは常に「法の死角」を突いてくるので、こういう法律の改正は、いたちごっこになりがちですが、やはり何もしないよりはマシなので、法案が成立したら効果が出ることを期待しましょう。