国会ウォッチ!

知ってるようで意外と知らない。そんな国会の様子をレポートします。

20年近く放置されていた不思議

5月17日(水)に開催された衆議院国土交通委員会で、こちらの法案が採決されました。

www.mlit.go.jp

この法案、主眼は外国からのクルーズ船の増加に対応するべく、官民が連携してクルーズ船を受け入れられる港を整備していこうというものなのですが、私が気になったのは、もう一つの改正内容の「非常災害時における国土交通大臣による円滑な港湾施設の管理制度の創設」です。

 

法案を提出した国土交通省の説明によると、この非常災害時の新しい制度を設けるきっかけになったのは、

熊本地震の発生後、通常の貨物船に加え、自衛隊海上保安庁等の支援船舶が集中したことにより、港 湾が過度に混雑し、港湾利用者との円滑な調整等 に支障」が出たのがきっかけだそうです。

で、「 切迫性が指摘される南海トラフ地震等の大規模災害 に備え、非常災害時における港湾利用者との調整 等を円滑に実施するための仕組みが必要」ということで、今回の法改正に盛り込まれたとのこと。

 

この国土交通省の説明を読んだ時の私の率直な感想が、

「今頃、何を言ってやがる!」

です。

 

ここ20年近くの間だけでも、阪神・淡路大震災に始まり、東日本大震災まで、大規模災害がどれだけ起こっていたか、子供でも知っている話です。

当然、同じような問題は、災害発生の都度、起こっていたわけで、もし本当に国土交通省熊本地震で初めて気づかされたというなら、その危機意識を疑わずにはいられません。

 

案の定というか、委員会でも質疑に立った議員から、今までこの制度が無かったことへの疑問がぶつけられています。

これに対する国土交通省の答弁は、大まかに言うと

「港湾の運営は、地方自治体などの地域の自主性に任せるというのが港湾法の基本方針だったから」

という、言い訳にもなっていないような内容でした。

 

まあ無いよりはあった方がいい制度には違いないので、これが来たるべき災害の発生時に役にたつことを期待したいですが、当たり前だと思っていたことが出来ていないということが往々にして存在するという事実に、うすら寒いものを感じた一件でした。